愛人にすすめたい、結婚の真実。
2年目の結婚記念日に、夫が妻へ贈った絵本(というか手紙だ)。あんなに愛し合っていた彼女なのに、結婚して子供が生まれると、いつのまにか気持ちが醒めてしまう……..危機に陥った夫婦が関係を修復させるまでの物語だが、実話であることがポイント高い。あっという間に読めてしまうので、何度か読んでみたが、何度読んでも涙が出る。悔しいほどに。
後半部の妻のセリフには、見習うべきものがある。男も女も、危機のときにはこういうセリフを言わなければならないんだな。それができた夫婦は、きっと乗り越えられるのだ。相手の痛い部分を責めたり、泣きごとを言ったりするのではなく、ふっと空を見上げて美しいため息をつくような、そんなひとことだ。
<結婚とは「大好きな人と一緒にいること」ではないと思う。結婚とは「どんなことも受け入れること」ではないかと思う。> と筆者はあとがきで述べているが、それはどうかな、とアマノジャクな私は思う。そんな妥協的な生き方はしたくない。一生、大好きな人と大好きなまま一緒にいるべきじゃないの?って思う。だけど、この本のエピソードがもつ普遍性には、やっぱり泣かされてしまうのだ。
夫婦の危機は、どっちかのせいじゃないってこと。ちょっと擦れ違うと、どんどん擦れ違っちゃうけれど、その代わり、ちょっと歩み寄れば、驚くほどすんなり歩み寄れたりするんだ。
素直でない私は、この本に出てくる智子(愛人!?)が可哀想、などと不謹慎なことを考える。そうそう、この本は、愛人をやっている女性におすすめしたい。彼がなぜ離婚しないのか、その理由がわかるから。
2001-01-19
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