見ることは、信じること。

ロバート・ボシシオ(Robert Bosisio)は、北イタリアのトローデナ出身で、イタリア、ルーマニア、ドイツを拠点に制作活動を続けている画家。新作の人物画を中心とした日本初の個展が、104GALERIEと104GALERIE-Rで開かれた。作品も、展示されているギャラリーの空間も、めちゃくちゃかっこいい。

淡い記憶を呼びさます、水のようなスフマート。素材をていねいに重ねたのであろうこれらの作品は、シンプルな写真のようでもある。近いようで遠く、はかないのに強い。ここではなく、どこか別のところにあるんじゃないか?と思わせる、つかみどころのない、かけがえのない存在。どこから見ても、そのまま美しい。

ロバート・ボシシオは、映画監督のヴィム・ヴェンダースの妻であり写真家のドナータ・ヴェンダースと一緒に何度か展覧会をやっているようで、ヴィム・ヴェンダースも図録などに、彼の作品についての文章を寄せている。

「多くの絵は、その美しさを理解するために後ろに下がり、目を細めて見ることを要求する。そうして初めて、絵は真実をあらわすのだ。しかしRobert Bosisioの絵を見るとき、後ろに下がる必要はない。Robertは私たちのために、それをやってくれた。彼は、私たちが半分目をとじて見る世界を描いた」

Some paintings oblige you, the viewer, to step back and to squeeze your eyes,so that you can see their beauty shine. Only in this way do they reveal their truth. Facing the paintings of Robert Bosisio we don’t have to step back. Robert has done that for us. He has painted what we see through half-closed lids.
(SEEING IS BELEVIENG,2010 by Wim Wenders)

2018.03.23(Fri) – 2018.05.20(Sun)